真似も信心の内

剣豪

開導日扇聖人ご教歌
末法は無智なる故に心にて 出来ぬを所作でするが信心

仏さまのお悟りの法であるお題目のご信心を、理屈がわかったらいたしますと言うのでは、一生かかっても成就する事は出来ない。先づ、真似でも良いからやってみる事、すると善い結果が顕れて、ついには喜んでご奉公できるようになるものだとお示しのご教歌です。

山本周五郎の小説ですが、体が大きく強そうに見える癖に、根っからの弱虫のサムライが、道場破りという珍商売を始めました。門弟の手前天下の豪傑のように振る舞い、堂々と刀をかまえた後で、ガラリと刀を投げ出し、「とても先生にはかないません」と頭を下げれば、気分を良くした先生からご祝儀がいただけるだろうという計算です。これが図にあたって商売繁盛したのですが、思いがけない副産物があって、本人までが堂々とした剣豪になってしまったというのです。それは、何とか格好だけでも強く見せようと古今の名人の真似をしている内に、いつか剣の極意にかなって、腕が上がってしまったのでしょう。

真似でもしつづけていれば真をつかむ良い例です。信者の中にはおだててもすかしてもケロっとしている人がいますが、これでは100年たってもご利益はいただけません。せめて信者らしい真似のできる信者となりましょう。(前進 昭和57年3月号)

 


本堂の省エネ対策 「火鉢」

夏は涼しく冷房の必要もない正晨寺の本堂ですが、うってかわって冬は寒く冷え込みが厳しく辛いのが難点です。朝のお看経の時には御乗台(御導師の席)の横にファンヒーター、脇座(私の席)の横に電気ストーブ、そして後ろの信者席にストーブを3台つけて、それでようやく寒さをしのげるといった感じで、毎月の灯油代もなかなか馬鹿になりません。

そこで、一計を案じて…本堂で炭を焚いてみようという話になりました。風通しの良い建物は一酸化炭素中毒の心配もありませんし(笑)、先先代の御導師の使っていらした古い大きな火鉢があったからです♪それがこちら↓

火鉢

いや~、これがなかなかあたたかく気持ちが良いのです。これでストーブを一台減らすことができました。お参詣の方にもおおむね好評のようで、古い人達(失礼!)は懐かしいと喜んでくださり、若い人達も珍しいと喜んでくださっています。

火鉢で団らん

今は安い炭を探して購入していますが、ゆくゆくは境内で竹炭を焼いて燃料も自給するつもりでいますので、そうなれば雰囲気も良く燃料代の節約にもなって一石二鳥ですよね♪


福岡日雙上人の御法門。「現証の御利益あればおのづから 人の信ずる妙法の五字」

今回は、神戸「香風寺」のご住職の福岡日雙上人の御法門(法話)をご紹介いたします。
海外弘通におけるエピソードなども交えつつ、「現証の御利益あればおのづから 人の信ずる妙法の五字」という御教歌を拝まれています。とても素晴らしい御法門なので、ぜひご聴聞いただきたいと思います。ありがとうございます。合掌


当山信徒の松永氏が作るお戒壇

今回は、当山の信徒で家具工房「芽生」を営む松永氏の作るお戒壇をご紹介させていただきます。
法灯相続をして、家に御法様をお祀りしたいのだが、親のお戒壇は大きすぎて到底お守りできない。あるいは…彫刻や飾りのデザインが洋風の部屋に合わない。そのような理由でお祀りを躊躇されている方にピッタリのシンプルなお戒壇です。

お戒壇

クリの無垢材を使用して、家具作りの伝統技法を用いて頑丈に仕上げてあります。しかも素材はクリだけでなく、ヤマザクラ・ナラ・タモ・ウォールナットなどに変更することもでき、色も自分で選ぶことが出来るそうです。

さらに、ご希望のサイズに作ってもらえるので、部屋のスペースに合わせて無駄をなくすことができるのも素晴らしいです。その他にも、いろいろと細かく相談にのってもらえると思いますので、興味のおありの方は…詳しくは下記のサイトをご覧下さいませ。

家具工房「芽生」

日々、ありがたい佛立信心に励まれて、当山の静岡別院を熱心に護持してくださる松永氏を少しでも応援させていただきたく、このような記事を書かせていただきました。ありがとうございます。合掌


ラブレター

今回は、以前…乗泉寺のホームページに掲載をした自分の記事を転載しようと思います。本当は新しい記事もゆっくりと書きたいのですが、寒参詣中でアレコレと忙しく、あまり時間がないのです(苦笑)。悪しからず。
以下…

ナナオサカキ

 
ナナオサカキという詩人がいた。家を持たず、カネを稼がず、家庭も築かず、帰るふるさともなく、生涯のほとんどを旅して過ごした人である。
生前、何度か顔を合わせたことがあるが、非常におもしろいじいさんであった。
特に、3・11の東日本大震災と原発事故以降…彼の生き方と、その作品を思い出すことが多くなった。そんなわけで…今回は「ラブレター」という詩をご紹介してみたいと思う。私はこの詩が大好きなのです♪

ラブレター

半径 1mの円があれば
人は 座り 祈り 歌うよ

半径 10mの小屋があれば
雨のどか 夢まどか

半径 100mの平地があれば
人は 稲を植え 山羊を飼うよ

半径 1kmの谷があれば
薪と 水と 山菜と 紅天狗茸

半径 10kmの森があれば
狸 鷹 蝮 ルリタテハが来て遊ぶ

半径 100km
みすず刈る 信濃の国に 人住むとかや

半径 1000km
夏には歩く サンゴの海
冬は 流氷のオホーツク

半径 1万km
地球のどこかを 歩いているよ

半径 10万km
流星の海を 泳いでいるよ

半径 100万km
菜の花や 月は東に 日は西に

半径 100億km
太陽系マンダラを 昨日のように通りすぎ

半径 1万光年
銀河系宇宙は 春の花 いまさかりなり

半径 100万光年
アンドロメダ星雲は 桜吹雪に溶けてゆく

半径 100億光年
時間と 空間と すべての思い 燃えつきるところ   
そこで また 人は 座り 祈り 歌うよ
人は 座り 祈り 歌うよ

 


信心決定で甲斐ある年を

開導聖人御教歌
「罰ですら現世にあたる妙法の つとめは未来豈またんやは」

賞と罰とは、仏の衆生教育法の二面です。子の親として、叱るのとほめるのとどちらを好むかといえば、勿論誉めることであるように、仏も又同様に、衆生に福のご利益を下さることを第一の喜びとされています。それでは、何故仏の好まれないお罰などがあるかといえば、私達は仏果を得る迄は永遠に輪廻転生をくり返す身で、小さな過ち一つと思っても、その苦果を受ける期間が果てしなくながいからです。ですから、仏は涙をのんでお叱りを垂れるのです。

若しも、信心決定をすれば、仏は大変喜ばれて、陰に陽に私たちをお守り下さいます。日扇聖人の別の御教歌に「世の中がくらしにくいとなく人は。わが門人に一人もなし」と説かれています。勿論これは、どんな人にも適切な教えを説いて、物心両面に渡って幸せにされた聖人の教導上の自負の心をうたわれたものですが、お題目を唱える者には、三災七難を離れるご利益があるという仏のみ意を素直にのべられたものでもある訳です。

昨年1年をふり返って、「苦しかったナ」と思える人は幾分懈怠のお叱りを受けた方でしょう。本年は信心決定し、後々まで思い出に残るような生き甲斐のある1年を送りたいものです。(前進 昭和57年1月号)

 
【HPに転載するにあたっての追記】

「三災七難とは」

「三災」とは、世界の破滅期に起こる大の三災と、日常に起きて人々を滅ぼす小の三災があります。『倶舎論(くしゃろん)』という教えによると、大の三災に火災・風災・水災があり、小の三災に穀貴(こっき)・兵革(ひょうかく)・疫病(えきびょう)があります。穀貴とは、五穀の価が異常に高騰(こうとう)する物価騰貴のことであり、兵革は戦争、疫病は伝染病や流行病などのことをいいます。

「七難」とは、法華経によれば(1) 火難,(2) 水難,(3) 羅刹 (らせつ) 難 (悪鬼による災難) ,(4) 刀杖難,(5) 鬼難 (死霊による災難) ,(6) 枷鎖難 (牢獄にとらわれる難) ,(7) 怨賊難とあります。


初総講(祝杯式)のご報告と寒参詣のお知らせ

■初総講(祝杯式)のご報告

去るお正月の3日に、新年初のお総講が奉修されました。本堂でお看経をさせていただいた後に、お導師の御法門を聴聞させていただき、続いて開導聖人御法語(年頭の御指南)の拝読、さらに照遠師より御講有山内日開上人の「年頭のことば」が拝読されました。
引き続き祝杯式が行われ、一年間の息災とご奉公成就を願い、皆でお屠蘇をいただきました。

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■寒参詣のお知らせ

年も明け、6日から毎年恒例の行事「寒参詣」が始まりました。通常より開門が30分早まり、お看経も6時~8時となります。また御法門も6時45分と7時45分の2回拝読されますので、一ヶ月間頑張ってお参詣に励んでください。

なお寒参詣中はお寺より朝食の御供養をさせていただきます。御法門聴聞後の7時~7時半、8時~8時半の間に召し上がっていただくことができますので、どうぞご利用いただくようにお願いいたします。合掌


映画「ダムネーション」のお知らせ

今回は、私の友人達が企画している映画のお知らせをさせていただきます。
これは、不要になったダムを取り壊し、本来の川の姿に返していく、アメリカのドキュメンタリー映画なのですが、田町にあるシネマ・イーラという映画館で、1月11日(日)の13:45~15:15までの上映です。

私は、残念ながら…その日は静岡までご奉公に行く日なので見ることができないのですが、興味のおありの方はぜひ足をお運びください。合掌

【詳細】
前売り 1300円 当日 1500円
前売り販売店
シネマ・イーラ 中区田町315-34 笠井屋ビル3F
すいーとまむ 浜北区本沢合113-2
あさのは屋  北区初生町379-4
C-cafe     中区富塚2114-5
オーガニックたま屋 中区鴨江4-11-30
加藤醤油   中区寺島町43-3
酒&FOODかとう 西区神ヶ谷7873


「人生は有限」がよくわかる動画

この動画は面白いです。私達の1日をゼリービーンズ(お菓子)一粒に例えて、平均寿命を79歳として2万8835粒を用意します。
そうすると、睡眠には8477粒、仕事には3202粒、食事などの活動には1635粒が消費されることになります。さらに、1099粒が車での移動時間となり、2676粒がテレビを見る時間に割り当てられ、1576粒が家事のために費やされるわけです。

このようにして一生の時間が各活動に割り振られていき、すべてが引かれると、残りのゼリービーンズはわずか3000粒足らずとなるのですが、このわずかな粒が、我々が自由に使うことができる、残された時間ということになるわけですね。こうして見ると、時間がいかに貴重であるかが分かります。

なかなか良い作品なので、お時間があったらご覧くださいね。


謹賀新年

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
昨年中は為法為宗ご奉公ありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。合掌

新年に拝し仏様のお言葉を皆様にお送りいたします。

生きとし生きるもののすべてが
安楽で 幸福でありますように
およそ生命があるものならば
弱いものも 強いものも
大きなものも
中くらいなものも
微細なものも
遠くにいるものも
近くにいるものも
すでに生まれたものも
これから生まれるものも
一切の生きとし生けるものが
幸福でありますように
(『スッタニパータ』145~147)