愚痴を言っても良くならない

開導日扇聖人御教歌
「身にやまひ受しむくひも法華経の 見すて給はぬ逆縁としれ」

苦しみに出逢うたびごとにこれは仏さまが私たちをお試し下さっているのであるからここを乗り切れば本当の幸せがやってくると、強く明るい気持ちを持つことが大事であるとお示しのお歌です。

苦しみの中でも、病気は最たるものの一つですが、病気のおかげで命が助かった人もあります。

西南戦争で薩摩に逃げ帰った人を追って、1人の密偵が侵入しました。ここと目星をつけてある家をはりこみ、今日こそ逮捕という時になってひどい下痢を起こして、7日もの間病床につく始末に、のがした手柄をくやんで、大いに愚痴を言ったことでした。

ところが先方では、あまりにしつっこく追い回されるのに業をにやして、今日こそ密偵を殺してしまおうと親類を集めて待ちかまえていたということで、病気にかからなければ、すんでの所で命を落とす所だったのです。

こんなドラマチックなことは数少ないとしても、体が弱いために体を使う仕事から、頭を使う仕事に変わって成功した人もいます。貧乏のおかげで子供に自立心がつき、後半生幸せになった家族もあります。

要は愚痴ばかり言わず、なんでも明るく受けとめて、死中に活を求める生き方をすると、かならず仏さまがお守り下さるのだと確信させていただきましょう。
(前進 昭和58年5月号より)


Be my love

本日は、当山の夏のお会式「開導会」が奉修されました。朝まで雨が降り続き、お天気が心配されていた状況でしたが、信徒の皆様のご信心前が御法様に通じたのか…9時過ぎにはすっかり雨も上がり、とても良いお会式となりました。

今回のお会式は、「寺内奉修」という形で行われたので、余興として原口朋丈氏と丸山研二郎氏によるミニコンサートを楽しんでもらいました。3曲素晴らしい演奏を聴かせていただきましたが、その中よりBe my loveという曲をアップさせてもらいます。この曲は「The Toast Of New Orleans」という映画の挿入歌で名曲ですから、ぜひお聴きしてもらいたいと思います。合掌

■原口朋丈(はらぐちともたけ)
-和太鼓・篠笛

1978年静岡市に生まれる。1993年静岡市の太鼓グループ「麻機太鼓保存会」の稽古場で和太鼓と三味線のセッションに衝撃を受け和太鼓の世界に飛び込む。1995年1月プロを夢見て当時熱海にいた鬼太鼓座の合宿に参加、そして挫折。1998年8月勤めていた会社を退職し独り自転車で旅に出る。静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・金沢・新潟・東京などを経て、熱海にて鬼太鼓座の座員と再会。2000年に鬼太鼓座に入座。日本ツアー・中国マラソンツアー・欧州ツアーにも参加し、2001年3月に退座。現在は静岡にて様々なセッションを重ねながら自分らしい自分だけの芸を模索している。

■丸山研二郎(まるやまけんじろう)
-ギタリスト・シンガーソングライター

垣根のない様々な音楽に触れながら、独学にて演奏・作曲をする。音楽のみの舞台にとどまらず、映像・朗読・ダンス・美術・民族楽器など、ジャンルの異なる表現との多岐にわたるコラボレーション活動を行う。現在までに「水景」「光の雨の国」「しらさぎの歌」「White-Cobalt-Orange」「ある海のための音楽」の5枚のアルバムをリリース。1982年 静岡県浜松市生 静岡市在住


お宿(幸福荘)の予約は如何ですか

開導日扇聖人ご教歌
「たび人のあさたちいづるあしもとに くれのとまりをおもはぬやある」

朝を誕生と考えれば、夜の泊まりは臨終となります。利口な旅人が、出発前に今夜の宿を予約しておくように、立派な信者は、無痛臨終、寂光参拝ができるよう、功徳をつむことを怠らないことが大事だということになります。

学生にとっては、朝を入学時とすれば、1日の終わりは卒業、または上級校の受験となりますが、どの位真剣にそのことを考えていたかを、現在多数の若者がそれをためされているのです。

何によらず行為(因)があれば結果(果)があると教えられるのが、仏さまの因果のお悟りです。信心のある、そして真面目な人は、自分が仕掛けて有頂天になって騒いでいる時でも、どこか心の片隅がさめていて因果の報いということを承知しているものです。

生麦事件から、薩英戦争となり鹿児島が戦火を受けるという事件がありましたが、その時、薩摩藩は城下に被害が及ぶことを考えて、人家からは、家財道具は言うに及ばずタタミ、フスマの類まで疎開させ、官公庁、寺院等は復興に備えて絵図面を作っていたということで、これが敵国英国の好意を受ける元となり維新の陰の力となったとのことです。

お互いの、現在していることが、いつか必ず結果となってあらわれるのですが、自信の程は如何ですか。(前進 昭和58年3月号より)