佛立開導日扇聖人御教歌
わがつみの きゆるよすがと 唱ふるや 妙のみ法の こえぞたのしき
お題目を唱えるごとに苦しみの種がへっていくかと思うと、うれしくてならないとお示しのお歌です。
お祖師さまが
「我が頭は父母の頭、我が足は父母の足、我が十指は父母の十指、我が口は父母の口なり、譬えば種子(たね)と菓子(このみ)と身と影の如し。」
と仰せられるように、私たちは両親から長短両方の特徴を受けついでいます。その両親は祖父母から、祖父母は曽父母からと際限ありません。ある物好きが、俗に言う、私たちのご先祖、両親2人にそれぞれ両親があって4人という風に計算したところ、十代前は2千人、二十代前は2百万人、三十代前となると2億人という数字となったそうです。
三十代前というと大層古い昔のようですが、凡そ150~60年前くらいだというのですから驚きです。
いずれにしても、私たちの体には沢山のご先祖方のいろいろな力が組み込まれています。果報のない人は先祖どころではなく、両親の短所をもろに受けて短命に終わったりします。果報のある人は、トビが鷹といった具合に、実の父母が目をむくような立身出世をします。
このお題目口唱は、私たちの内蔵している良い力を発揮させ苦しみの種を消滅するのです。ご信者は親より子、子より孫と末広がりに幸せになるよう、口唱参詣等、修行を軽んじない事が大切です。
(前進 昭和63年 9月号より)