佛立開導日扇聖人御教歌
そはよしと 互いに顔を見合せて とても出来ぬと あほはいふなり
良い意見がでても、さて実行をする段になると、皆んな自分の都合をいいたてて、誰も協力をしないから、いつまでも発展をしないと嘆かれたお歌です。
仏様が諸国を歩かれているとき、ある弱小国の王が不安そうにいいました。
「ご存じのように隣国はまことに強大です。わが国はいつか亡ぼされてしまうのでしょうか」
これを聞くや、仏様は
「たしかに隣国は強大ではあるが1人の専制君主にひきいられていて、人々は自分の意見をのべようとしない。それに対して、この国は、常に会議を開いて多くの意見がだされ、国民の1人1人が自分のなすべきことを知っている。亡ぶとすれば彼の国で、この国は安泰であろう」
と断言されたそうです。
正晨寺憲章の中には
「意見は、進んで提案し活かしましょう」とあって、仏様のお耳に達すれば、きっとお喜びいただけるような約束がのべられています。
たとえお寺が小さくとも、この正晨寺憲章の心のように実行すれば、お寺の発展も、個人の心願成就も意のままです。お寺を良くする提案をし、分に応じて御奉公を分担して、努力させていただきましょう。