無財の七施

佛立開導日扇聖人御教歌
「布施すべき財(たから)なくとも志 あらば功徳はふかき大海」

志とは、心を刺すことだ、だから心がチクリと痛まないような布施供養・修行は志とはいえないと言った人がいます。

小学校にも行かない子供のお年玉でも千円ではどうかなという時代に、それ以下の金額で、志だからこれでいいのだなんて威張っているのは、本当ではないというのでしょう。

しかし、歳をとったり、事情があって、一銭もなくても布施行は出来るのだと、仏は教えられています。それを「無財の七施」といいます。

それは、
①眼施
②和顔施
③言辞施
④身施
⑤心施
⑥床座施
⑦房舎施
といい、眼施を例にとれば、優しいまなざし、人を励ます目つき、信頼のこもったその視線を感じると、思わず頑張りたくなるような雰囲気をいうのです。

眼・顔・言葉・低い腰・思いやりのある心・席のゆずり合い・最上のあたたかい部屋を老親や病人に与える心くばりなどを教えられたものです。

浄財喜捨の浄念とともに、自分の一挙手一投足が相手を幸せにも不幸にもするのだと自覚して、あたたかく、そしてつましく振る舞うことができたら、お寺も家庭も職場も、どんなに明るく楽しくなるでしょうか。

先ず、罪障の捨て処であるお寺で実験してみましょう。
(「前進」昭和59年10月号より)


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